痰の性状

基礎知識

呼吸リハのすすめのりかです。

今回は痰の性状についてです。

呼吸器に障害がある方は痰が出ることがあり、喀出された痰の性状や喀出のされ方などから得られる情報もあります。

ここでは痰から得られる情報について説明していきます。

それでは見ていきましょう!

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そもそも痰とは何?

そもそも痰とは何でしょうか?

痰とは

咳によって気道系から喀出されるものの総称。

●主に気道の杯細胞や気管支腺からの粘液性分泌物。

●量:約10~100ml/日。

●脱落細胞成分、細菌などの異物、上気道分泌物、唾液などが含まれる。

通常、粘液線毛輸送系により無意識下に喉頭へ運ばれ、咽頭を経て嚥下されます

しかし、気道内分泌物の量が100ml/日を超えると咳刺激を生じて痰として喀出されます。

粘液線毛輸送系とは

気管・気管支上皮には多数の線毛細胞があります。

長さ3.2~4µmの線毛は丈を伸ばして鞭のような弧を描き分泌物を喉頭側へ排出します(有効打)。戻りは丈を短くして分泌物の妨げとならないような動きになります(回復打)。

1分間に1500回の線毛運動により、気管では1分間に20~30mm、気管支では13.5mm輸送されると言われています。

粘液(分泌物)が線毛運動によって口側へ輸送されるシステムをを粘液線毛輸送系と呼びます。

動画でも説明していますので良ければ見てみてくださいね(^^)↓

痰の性状①痰と粘液線毛輸送系

痰の性状と病態原因疾患

痰の粘調度

痰の粘調度としては、Miller-Jones(ミラー・ジョーンズ)の分類が用いられるが、臨床的には吸引された痰から分類する方法が簡便です。

臨床でのちょっとしたコツ👆

病院では吸引を良くされている看護師から粘調度を聞くのも一つの情報になりますね。

動画でも説明していますので良ければ見てみてくださいね(^^)↓

痰の性状②痰の粘調度の評価

痰の性状と病態原因疾患

痰の性状から患者の病態・原疾患を類推することが可能です。

臨床でのちょっとしたコツ👆

病院時代、看護師からの情報で「緑膿菌+になりそうな(またはMRSA+になりそうな)痰が出るようになってきましたよ。」と言われることがありました。

実際喀痰を検査に出すと緑膿菌+やMRSA+になることがありました。

痰の性状をしっかり観察することも患者の病態を知る一つの手がかりになるので、痰の性状も確認するようにしましょう。

動画でも説明していますので良ければ見てみてくださいね(^^)↓

痰の性状③痰の性状と病態原因疾患

痰に対する問診のポイント

痰に関する問診のポイントは以下の通りです。

痰に関する問診のポイント

●1日の痰の量はどの程度か?

●最も多い時間帯はいつか?

●増加傾向にあるか?

●粘液性か、泡沫性か?

●色調の変化、悪臭はあるか?

●血痰、喀血はあるか?

呼吸器疾患の方で痰が出る方に対してはできるだけ上記内容は問診するようにしましょう。

臨床でのちょっとしたコツ👆

病院では患者さんからの問診だけではなく、看護師からの情報、吸引瓶の中の分泌物の色や量なども参考にします。

訪問では普段からご本人とご家族様に痰の量や色などを意識してみていただくようにお伝えしています。

またリハ中に痰を喀出されたときには実際に見せて頂いたりもします。

動画でも説明していますので良ければ見てみてくださいね(^^)↓

痰の性状④痰に関する問診のポイント

まとめ

今回は痰の性状についてでした。

まとめ

咳によって気道系から喀出されるものの総称で、気道内分泌物の量が100ml/日を超えると咳刺激を生じて痰として喀出される。

✔痰の粘調度としては、Miller-Jones(ミラー・ジョーンズ)の分類が用いられるが、臨床的には吸引された痰から分類する方法が簡便である。

✔痰の性状から患者の病態・原疾患を類推することが可能である。

✔痰に関する問診のポイントは、痰の量・時間帯・増加傾向かどうか・性状・色調やにおいの変化・血痰の有無などである。

以上、痰の性状についてでした。

痰の性状についてすぐに使える視点・注意点!

☑痰の性状について、患者だけから聞き取るのではなく、看護師やご家族からも聞きとったり、吸引瓶やリハ中に実際喀出された痰の観察からも情報を得るようにする。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

ご質問やご意見などありましたら、お問い合わせから宜しくお願い致します(^^)

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