今回は低血圧についてです。
リハビリをしていると安静時から低血圧の方やリハ中に起立性低血圧を起こす方もよくいらっしゃいますよね。
今回は低血圧に関する知識をまとめています。
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良ければ見てみてくださいね!
それでは見ていきましょう!
低血圧の診断

高血圧にははっきりと基準が決まっていますが、低血圧にはWHOなどを見ても明確な基準はありません。
一般的には、収縮期血圧が100mmHg以下の場合を低血圧と言われていますが、健康な人でも100mmHgとなることはあります。
収縮期血圧が100mmHg以下であり、かつ立ちくらみやめまいなどの自覚症状を伴う場合に低血圧と診断されるようです。
低血圧の原因

低血圧には、大きく分けて以下の3つの原因があります。
●本態性低血圧:明らかな原因がない。
●二次性(症候性)低血圧:体の中に何かしらの疾患が原因で起こる。
●起立性低血圧:急に体位を変換することで起こる。
それではそれぞれについて見ていきましょう!
本態性低血圧
安静時に血圧測定したときに収縮期血圧が100mmHg以下で、原因となる病気が明らかでない場合に診断され、体位や排泄などの生理現象と関係なく低血圧が見られます。
全身倦怠感、肩こり、不眠、寝起きの悪さなどが自覚症状として見られることもありますが、ほとんどの場合、検診などで測定した際にたまたま指摘されることが多いようです。
特に治療の必要はありませんが、上記のような自覚症状が強いときや不定愁訴が強い時は精神療法や生活指導、場合によっては薬物療法を行うこともありますが、あまり神経質にならず経過をみても構わないです。
二次性(症候性)低血圧
体の中に何かしらの疾患が原因で起こるため、原因疾患が何かによって症状の出方が変わります。
●心疾患(心機能の低下、不整脈など)
●薬剤性(血管拡張薬などの薬物投与、薬物中毒など)
●自律神経系(交感神経の障害など)
●循環血液量の減少(血液、血漿、水分、電解質の喪失など)
治療としては原因疾患の治療になります。
普段の血圧と比べて低すぎる時には注意が必要です。
上記のような基礎疾患を抱えている方は病状が変化した可能性も考えられますし、訪問などで身近に起こりえることであれば脱水や熱中症なども考えられます。
やはり普段の血圧を知っておくことがいつもとの違いを気付くヒントになりますね(^^)
起立性低血圧
臥位での血圧は問題ないものの、立位や座位をとったときに収縮期血圧が20mmHg低下することを言います。
体位が変わることで全身の血の巡りが変化することで起こり、リハ場面では離床開始時によくみられます。
臥位の時は正常血圧なので症状は何も現れませんが、急に立ち上がったときなどに低血圧となり、ふらつき、めまい、易疲労感、動悸、視野のかすみ、失神などが起こります。
●一次性(起立性低血圧が主となる疾患)
●二次性(他の病気が原因で起こったもの)
●薬剤性(薬が原因で起こったもの)
代表的なテストにはシェロングテストがあります。
治療は高血圧の時と同様で二次性疾患が原因の場合は原因疾患の治療を行いますが、それ以外の場合は生活指導を行い必要に応じて薬物療法を行います。
離床し始めたときやパーキンソン病といった自律神経障害がある方などリハビリではよく出くわすものの1つが起立性低血圧です。
起立性低血圧が起こったときの症状を理解し、起立性低血圧が起こったときは座位や臥位をとるなどすぐに対処できるようにしておきましょう。
また在宅生活の方には起立性低血圧が原因で転倒されることも考えられます(←私は実際経験しました…)。
ご本人やご家族に起立性低血圧について説明し、対処方法(症状が出たときは動作を止めて座位や臥位で休憩するなど)をお伝えしておきましょう。
まとめ
今回は低血圧について見てきました。
✔低血圧には明確な基準はなく、自覚症状が伴うかどうかで診断される。
✔低血圧には明らかな原因がない本態性低血圧、体の中に何かしらの疾患が原因で起こる二次性(症候性)低血圧、急に体位を変換することで起こる起立性低血圧がある。
以上、低血圧についてでした。
☑患者さんやご利用者さんの低血圧の有無、既往歴、生活習慣や内服薬についても知っておき、運動だけをみるのではなく必要に応じて指導する。
☑普段の血圧と大きく違う場合は基礎疾患の病状の変化や脱水などといったことも想定し対応する。
☑離床直後や自律神経障害の方のリハでは起立性低血圧を起こしやすいため対応方法を知っておき、ご本人・ご家族などにも指導する。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ご質問やご意見などありましたら、お問い合わせから宜しくお願い致します(^^)
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