体重を測定することで何がわかるのか?

基礎知識

今回は体重についてです。

医療従事者であってもそうでなくても体重はなじみがありますよね。

太ったか痩せたかなどに目が行きがちですが、体重からも重要な情報が隠れており、私自身も体重の変化から患者さんや利用者さんの状態の変化に気付いたことがあります。

ここでは体重から何がわかるのか、基礎的なところに関しておさらいしていきましょう!

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肥満ややせの程度がわかる(BMI)

一般的にもよく知られているものにBMIがありますね。

BMI(Body Mass Index:ボディー・マス・インデックス)

●体重と身長の関係から人の肥満度を示す体格指数のこと。

【計算式】BMI=体重(kg)÷(身長(m))2

 *cmではなく、mで計算する点に注意!

簡便的に肥満の測定としてBMIがよく使用される。

BMIと体脂肪率の間には、相関があるとも言われている。

計算方法は世界共通だが、肥満の判定基準は国によって異なる。

日本肥満学会では統計的に最も病気にかかりにくいとされているBMI=22を標準体重として、25以上を肥満18.5未満を低体重(やせ)としている。

肥満であればあるほど生活習慣病の確立が高くなると言われています。

生活習慣病の予防のためにも体重の推移を知ることは大事ですね。

また整形外科疾患で肥満が原因で各種関節症を増悪させていると考えられる方に対しては特に体重の管理は重要になってきますね。

動画でも話していますので良ければ見てみてくださいね(^^)/

体重①肥満や痩せの指標

栄養状態がわかる(%体重変化)

体重は栄養状態を簡便に知りたいときにも用いられます。

体重に関する指標はいろいろありますが、栄養状態を見るときには栄養状態を主観的包括的にスクリーニングする評価であるSGA(Subjective Global Assessment)でも用いられている体重変化率をみます。

体重変化率

●%体重変化=(通常時体重ー実測体重)÷通常時体重×100

%体重変化が以下の場合、有意な体重変化と判断され、『低栄養状態である』と言える。

・1週間で1~2%

・1カ月で5%

・3カ月で7.5%

・6カ月で10%   

*ただし、10%以上の体重変化は期間に関わらず有意と判断する。

体重変化率の計算式を見てもわかる通り、栄養状態を知るためには通常時の体重を知っておくことが大事ですし、体重は経時的に測定する必要がありますね。

臨床でのちょっとしたコツ👆

栄養状態が不良で本来ならば体重が減っていてもおかしくない場合でも同時に浮腫が起きている場合には、体重は変化しない(体重が有意に減らない)ため浮腫が起きているかどうかの観察も同時に行う必要があります。

動画でも話していますので良ければ見てみてくださいね(^^)/

体重②栄養状態の目安

全身性浮腫に気付くことができる

体重を測定することで全身性浮腫の程度がわかります。

【関連記事】

全身の浮腫が目に見えて出現する前に体重が増加することがあります。

心不全や腎不全など全身性浮腫が起こる疾患を抱えている方で1週間で体重が1~2%以上増加するのは食事や間食のし過ぎではなく、全身に余分な水分が貯まってきている、つまり全身性に浮腫が起き始めているかもしれないと考えてよいでしょう。

実際に遭遇した症例

私が訪問リハの際に実際に経験したことです。

心疾患を抱えている方(体重60㎏程度)で特に食事量や水分量はいつもと変わりがないにもかかわらず、1週間前の訪問時から体重が1㎏以上増加(1週間で1.7%以上増加)している方がいました。

いつもより酸素化が悪く、胸部症状もあったため受診を促すと心不全が悪化しており入院となりました。(早期に治療したためすぐに退院されてきました。)

それ以降、毎日時間を決めて体重を測定してもらうようにしてもらい、わずかな体の変化にも気付けるようになったおかげか、定期受診以外で循環器を受診することはなくなりましたね。

臨床でのちょっとしたコツ👆

呼吸器疾患の方は呼吸するだけでエネルギーを消費するので体重が減少しやすいのですが、短期間で体重が増加してきたら(右)心不全が増悪しているかもと考え、主治医に上申するなど対応した方が良い時があります。

こういった場合は体重以外に浮腫の有無や呼吸・循環状態(酸素飽和度、脈拍、呼吸数、血圧、頸静脈怒張、手指冷感、意識レベルなど)の確認、尿量の確認(尿量の測定はしていないことが多いので1日の尿の回数や1回の排尿での尿の量を聞き取るなど)も行い、主治医に身体状態の経過とともにお伝えすると医師もスムーズに治療に入れますね。

動画でも話していますので良ければ見てみてくださいね(^^)/

体重③全身性浮腫に気付ける

まとめ

今回は体重についてでした。

まとめ

体重を測定することで…

✔BMI(BMI=体重(kg)÷(身長(m))2)がわかると肥満ややせの程度がわかる。

✔%体重変化=(通常時体重ー実測体重)÷通常時体重×100で栄養状態がわかる。

✔全身性浮腫に気付くことができる。

以上、体重についてでした。

体重についてすぐに使える視点・注意点!

☑普段の体重を知った上で体重を経時的に測定することで肥満ややせ、栄養、全身性浮腫の状態を知ることができる。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

ご質問やご意見などありましたら、お問い合わせから宜しくお願い致します(^^)

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