血圧を正確に測定し、血圧に影響を及ぼす要因について考えよう!

基礎知識

今回は血圧の基礎知識についてです。

血圧は血圧計があれば測定できるので医療従事者にとっても一般の方にとっても身近なバイタルサインの一つですね。

医療従事者であれば血圧について知識として頭に入っているかと思いますが、血圧に影響を及ぼす要因、血圧の測定の仕方や血圧を測定する際の注意点や考慮するべき点について見ていきたいと思います。

では血圧の基礎知識についてみていきましょう!

スポンサーリンク

【重要】血圧を決める要因とは?

血圧は身近なバイタルサインの1つですが、そもそも血圧とは何のことでしょうか?

簡単に言ってしまうと、血液が血管を押す圧のことです(簡単に言い過ぎですね(;^_^)。

詳しく見ていきましょう。

血圧は何に影響されるのか?

血圧は以下の式で表すことができます。

血圧の式

●血圧=心拍出量×末梢血管抵抗

*心拍出量:循環血液量、心拍数、心収縮力による
*末梢血管抵抗:血管床の面積、動脈壁の弾性、血液の粘性による

この式を元に血圧について説明していきます。

心臓は全身に血液を送り出すというポンプの機能を持っています。

心臓から送り出された血液が血管を押すので、心臓から送り出された血液の量(=心拍出量)によって血圧は変わってきます。

心拍出量は体をめぐっている血液の量(=循環血液量)心拍の数(=心拍数)心臓が収縮する力(心収縮力)によって変化し、それらが増大すればするほど心拍出量も増大します。

また血液が血管を押す力が血圧ということを考えると、血管の中から押す力に反作用の力で働く血管自体の抵抗も考える必要があります。

末梢血管抵抗ですね。

血管の抵抗は、微小血管とその周囲にある組織によって構成される領域の面積(=血管床の面積)動脈の壁の硬さ具合(=動脈壁の弾性)血液のネバネバ具合(=血液の粘性)によって変化し、それらが増大すればするほど末梢血管抵抗も増大します。

臨床でのちょっとしたコツ👆

血圧が普段より高かったり低かったりという時は、上記のどの要素が変化したから高くなったり低くなったりしているのか、考えていくと血圧という1つのバイタルサインからも得られる情報が増えますね。

そのためには普段の血圧を把握しておくことが非常に大事になります。

収縮期血圧と拡張期血圧

血管にかかる圧は心臓のポンプの力によっても左右されるとお伝えしました。

ということはポンプである心臓が収縮したり、拡張したりすることで血管にかかる圧が変化することは容易に想像つきますね。

なので血圧は収縮期血圧/拡張期血圧(mmHg)という表記の仕方をします。

●収縮期血圧(最大血圧):心臓が収縮して血液を送り出したときに動脈に加わる圧力

●拡張期血圧(最低血圧):心臓が拡張して血液をため込むときに動脈に加わる圧力

動画でも話しています↓

血圧①血圧を決める要因

血圧測定の仕方

血圧測定の方法は主に3つあります。

聴診法触診法脈波法です。

聴診法

聴診法とは血圧を耳で聴いて測定する方法です。

心臓から送り出された血流が血管を押す圧(血圧)とどのくらいの圧が釣り合うかを聴診器を用いて測定します。

マンシェットを血圧測定部位に巻き、マンシェットに空気を送り込んで膨らませ血圧測定部位の血流を止めます。そこからマンシェットの空気を徐々に抜いていくと血流が再開します。血流が再開したときの音が収縮期血圧、さらに空気を抜いていき音が聞こえなくなったら拡張期血圧となります。この時の血管音を「コロトコフ音」と言います。

ここで血圧測定部位ですが、心臓に近い部位であり体位による誤差が出にくいため基本的には上腕で測定されます。上腕に外傷があるなどの理由で上腕で測定することができない場合は大腿で測定することもあります。

また以下のような方は血圧測定時注意してくださいね。

血圧測定時の注意点!

*血液透析のためにシャントがある場合→シャントが無い側の上腕で測定する。
*片麻痺の方→非麻痺側の上腕で測定する。
*点滴治療を受けている方→点滴が入っていない方の上腕で測定する。

触診法

基本的には聴診法で血圧測定はされますが、うまく聴診できないときや血圧低下時には触診法を用いることがあります。

触診法では聴診器ではなく自分の指を使います。

示指、中指、環指をそっと橈骨動脈にあてマンシェットを加圧し脈が触れなくなってからさらに20mmHgほど加圧してから空気を抜いていき、最初に脈を感じた値が収縮期血圧となります。

触診法の場合は拡張期血圧は測定困難であり、聴診法よりもやや低い値になると言われています。

脈波法

脈波法とは脈波(血流を波としてとらえたもの)から血圧を求める方法で、自動血圧計で測定する時に用いられています。

聴診法よりもやや高い値になることが多いようです。

臨床でのちょっとしたコツ👆

主に聴診法で測定するかとおもいますが、他の2つの方法も知識として知っておきましょう。

ちなみに脈拍の基礎知識でも載せた各部位で脈が触れなかったときのおおよその血圧も併せて覚えておきましょう。

*橈骨動脈蝕知×:収縮期血圧80㎜Hg以下
*大腿動脈蝕知×:収縮期血圧70㎜Hg以下
*総頚動脈蝕知×:収縮期血圧60㎜Hg以下

あまり出くわしたくないですが急変時などで至急おおよその血圧が知りたいときには使えます。

動画でも話しています↓

血圧②血圧の測定方法

まとめ

今回は血圧の基礎知識を見てきました。

まとめ

✔血圧とは血液が血管を押す圧のことである。

✔血圧=心拍出量×末梢血管抵抗の式で表される。

✔心拍出量は循環血液量・心拍数・心収縮力、末梢血管抵抗は血管床の面積・動脈壁の弾性・血液の粘性に影響を受けるため、血圧の変化は上記の要素のうちの何かが変化したことを表すものである。

✔血圧測定の方法は主に聴診法、触診法、脈波法の3つがある

以上、血圧の基礎知識でした。

血圧についてすぐに使える視点・注意点!

☑血圧を正確に測定し、普段の血圧も知っておく。

☑血圧の変化があるときは心拍出量(循環血液量・心拍数・心収縮力)、末梢血管抵抗(血管床の面積・動脈壁の弾性・血液の粘性)の要素のうち何が変化したか考える。

関連記事

最後まで読んでいただきありがとうございます。

ご質問やご意見などありましたら、お問い合わせから宜しくお願い致します(^^)

コメント

タイトルとURLをコピーしました